こんにちは。薬剤師のぷちゃんです。今回は薬局薬剤師1年目の方や、これから薬剤師として薬局で働く予定の方に向けて、薬剤師1年目の業務内容や目標、おすすめの書籍を紹介します。
01|薬剤師1年目の業務内容について
まずは、1年目の業務内容について紹介します。
各期間で意識した方がいいことも書いてみたので参考にしてみてください!
※各会社によって違いがあるので時期は目安と思ってください※
4月〜5月(保健薬剤師登録完了まで)
保険薬局の場合、4月に入社してすぐには薬剤師業務はできません。
そのため、保健薬剤師の登録が完了するまでは、薬剤師ができる業務以外をしながら、
社会人としての基本や、会社のマニュアルを覚える期間になります。
この期間に行う業務は主に以下のようなものが挙げられます。
- 受付、入力、ピッキング、会計など
- 納品、品出し
- 清掃
- 物販エリアの品出しやレジ、清掃、接客
(ドラッグストアの場合)
社会人としての基本的なマナーや、会社のルールをしっかりと学んでおきましょう!
保健薬剤師登録されてからは、調剤業務の研修や専門知識の勉強など
薬剤師の業務だけでも覚えることがたくさんあります。
会社員としての薬剤師は、薬剤師業務もこなしつつ、
会社のルールに則って店舗を運営する必要があるので、
本格的に薬剤師業務が始まる前に基本的な部分はしっかり覚えておくと、後々に役立ちます。
5月〜7月(保健薬剤師登録完了直後)
ここからは、薬剤師としての業務が始まります
初めに覚えるのは、以下のような基本的な調剤工程です。
- 処方監査
- 入力監査
- 薬剤調製(一包化、割錠、計量混合など)
- ピッキング後の監査(最終監査)
- 投薬、薬歴記載
私が新卒入社した時は、これらを一連の流れとして、全ての工程を同時進行で練習しました。
そして2週間くらい経ったところで、内容が軽い処方から実際の投薬にもチャレンジしていきました。
法令と会社の調剤マニュアルをしっかり守ることを意識しましょう!
ベテランの薬剤師の中には、法令は守っていてもマニュアルを端折って業務を行う人がいます。
ベテランだから許される訳ではありませんが、そういう人は自分の責任で勝手にやっているだけなので、絶対に真似しないようにしましょう。
国家試験をクリアしている人なら、法令を守るのは当たり前じゃん。という人も多いと思います。
では、マニュアルはなぜ大切なのでしょうか。
各会社の定める調剤マニュアルは、
法令を遵守する+調剤過誤のリスクをなくす目的で作られていることがほとんどだと思います。
つまり、マニュアルを守っていれば、法令はクリアできるし、調剤過誤も起きにくくなるということです。
1年目は知識も経験も浅いのが当たりまえです。正直リスクまみれです。
だからこそ、この時期から法令、マニュアルをしっかり守ることを常に意識して業務を行ってほしいです。
7月~
だんだんと調剤工程も身について来る頃です。
私の会社では、この時期から一人薬剤師が解禁されます。
問題なくすべての調剤工程をこなせると認められると、店舗で薬剤師が自分だけという時間が発生してもOKとされます。
こうなってくると、調剤だけでなく、処方監査で迷ったときや、患者対応で困ったときも一人で対応しなくてはなりません。
自信がない時は無理しないこと!
判断に迷ったときは、
- 一旦時間をもらって上司に電話で確認する
- 対応を後日にして先輩に確認してから判断する
というように誰かに相談するようにしましょう。
もちろん何でもかんでも人に聞けということではなくて、
自分で調べてもわからないという時に、
適当な回答をしたり、ごまかしたりしないでね、という意味です。
薬剤師になって半年もたってないのですから、わからないことがあって当然です。
対応が遅くなり患者さんに怒られることもあるかもしれません。
でも、適当な回答をして患者さんに健康被害が及ぶことの方が絶対にあってはならないことです。
私は今でも、これを常に意識して働いています。
何がいちばん優先するべきことか、常に間違わないようにしたいですね。
11月~
そろそろ上期の評価の時期です。
評価、とはボーナスの査定に関係してくる個人または店舗ごとの成績のことです。
ここで評価項目を見ることができます。
世の中や自分の勤める会社が求める薬剤師とはどんなものなのかを具体的知ることができます。
評価項目は会社によるので何とも言えませんが、1年目はとにかく基本的な勤務態度、調剤過誤の有無あたりが重要になってくるかと思います。
上長から評価を受けたら、素直に受け取り、下期に向けて自分の改善点や、もっとできそうなことを考えて目標を立てるといいかなと思います。
正直1年目の後半あたりからは会社ごと、お店ごとでも結構変わってきます。
大体どこも同じかな、というところまで紹介してみました。
02|新人薬剤師が気をつけること3選
次に1年目のうちから気を付けて欲しいことを紹介します。
焦りは禁物
前の項目でも話してる部分と重なりますが
とにかく全体を通して
正確さ>>>>スピード
を意識してほしいです。
薬局ではどうしても早さも求められる場面が出てきます。
が、
少なくともこの時期は一つ一つの作業を正確に(マニュアル通りに&ミスなく)行うことが重要だと思います。
店舗が忙しいと、先輩達・患者さんの目が気になってしまいます。
そのプレッシャーの中でも正確に調剤を行うことが、薬剤師として大事な事だと思います。
万が一急かしてくる薬剤師がいても、1年目の前半なら全く気にしなくていいです。
自分が最大限にミスなくやれるスピードで行えば問題なしです。全然問題なしです。
なぜなら、調剤工程という、正確性が何より重要な作業で
調剤を始めて間もない人間を急かすような薬剤師はまともではないからです。これはマジです。
どんなに経験が長くなろうが、どんなにお店が混んでいようが
薬局で、スピードが正確さよりも重要になることは絶対にないです。
これははじめのうちにしっかり意識しておいた方がいいです。
必ずメモをとる
これは社会人なら当たり前の事です。
特に薬局は覚える事がめちゃくちゃあります。
開局・閉局時の手順、レジや調剤機器の操作方法、日常業務の作業手順、店舗のルール、卸さんごとの荷受けのルールなどなど細かく覚えなければいけない事がたくさんあります。
先輩薬剤師も、医療事務の方も忙しい中で新人教育をしてくれます。
教えてもらった事は必ずメモに残し、何度も同じ事を聞かないようにしましょう。
疑問を放置しない
新しく仕事を始めると、
「これはどうやるんだろう」「さっきの指示はどういう意味だろう」と、言われたことの細かい部分が理解できなかったり
「何をしたらいいんだろう」という新人ならではの『わからない事がわからない』という状況が出てきたりします。
そういう時は、必ず質問をしましょう。
忙しそう…と質問をせず、曖昧なまま作業をして結果やり直し、というのが一番最悪です。
わからなかったら、素直にわからないと伝えてください。1年目の最初は疑問まみれで当たり前です。わからない事はひとつひとつ質問し、その都度メモをとり、次からはできるようにしていけばOKです。
また、調剤をしていると「この薬はなんだっけ」「この人はなんでこの薬を飲んでるんだろう」という薬学的な疑問も出てきます。
そういう疑問は大切にしてほしいです。
ただ、忙しくなってくると、その場で感じた疑問自体を忘れてしまうんですよね。
なので私は、疑問に思った事をとりあえずメモに残して、帰ってから調べていました。
そうやっていると、毎日少しずつ知識がついてくるのでおすすめです!
03|1年目の目標
ずばり、調剤ミスZERO!!
これに尽きると思います。
これを前提として+α目標があってもいいと思います。
例えば
- トレーシングレポートを年内に○件書く!
- 高齢者には必ず残薬を確認する!重複投薬防止加算を○件取る!
- お薬手帳を持っていない人には必ず勧めて、月に○人は新しく作ってもらう!
みたいな加算につながるような目標もいいと思うし
- 出社したら全員に挨拶する!
- 1日1回は患者さんにありがとうをもらう!
みたいな人柄的な部分を最初は目標にしてもいいと思います。
ポイントはなるべく具体的な内容にすることです。
これは自分を振り返るときにも達成できたかどうかがわかりやすいし
評価を意識したときにも、アピールしやすいです。
(私はというと、患者さんに顔を覚えてもらうという中身のない目標をたて、いつの間にか忘れていたし、お年寄りは大体覚えててくれるしで目標とは言えないものでした、、)
みなさんには、1年目が終わったときに自信をもって「自分はこれを頑張った!」といえる目標を立ててもらいたいです。
04|おすすめの書籍📕
最後に新人薬剤師さんにおすすめの書籍を紹介します。
国家試験が終わっても、薬剤師はずっと勉強です。
国家試験では勉強しなかったことが、実際の現場では山ほど出てきます。
新しい薬もどんどん出てきます。
私が1年目で特に感じたのは
- 実際にお薬を使っている人、専門知識がない人からの質問に答える難しさ
- 自分の知識不足
です。
患者さんの中には、自分の病気や薬についてよく調べている方もいます。
そういう方からは
「この薬の方が強いってネットに書いてあるのに、先生はなんでこっちを飲ませるんでしょうか、この2つはどう違うんですか」
みたいな質問が来ます。
私がいつも悩まされていたのはこの「何が違うんですか」という質問です。
ここをうまく説明して患者さんに納得してもらえると、お薬をしっかり飲んでもらえるし今後も頼ってもらえると思います。
逆に、自分の飲んでる薬のこと全然わかってない患者さんもいます。
こういう方は服薬コンプライアンスが悪いことが多いです。
何のために飲んでるのかわからないと、ただめんどくさいだけだから飲まなくていいやってなっちゃうんです。
しかも医師に言わず、薬剤師にこう言ってきます。
「この薬飲まなくても平気だよね?」
いやいやそんなことないですよ、となるわけですが、
ここでうまく服薬意義を説明できるかどうかが勝負です。
ここで「よくわからないや」と思われる説明をしてしまうと、その人はずっと薬飲まないままです。
例えば、国家試験では、”アムロジピンはCa拮抗薬で、血圧を下げる薬”と覚えます。
でもこれをそのまま説明しても、
患者さんからしたら、なんで血圧下げるの?血圧高くても普通に過ごせてるんだけど。って感じなわけです。
だから、治療の目的と薬理作用をしっかりつなげて理解して、さらに一般の人にもわかりやすい言葉で説明する必要があります。
そのためには、国家試験が終わってからも、
治療目的とお薬の関係だったり、細かい使い分けだったりを勉強する必要があるんです。
前置きが長くなりましたが、今話したような場面に備えられるおすすめ書籍を紹介します。
【薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100】
これで類似薬の大まかな使い分けがわかります。この本はエビデンスをしっかり載せてくれているので信頼できるし、平易な表現で書いてくれてるのでそのまま服薬指導に活かすことができます。
読んでみると、うわーこれこないだ患者さんに聞かれたやつだーってのがいっぱいありました。
【薬が見えるシリーズ】
国家試験の勉強ですでに購入済みの方も多いかもしれませんがこの本は現場でも役立ちます。
図が載っているので、理解しやすいし、作用機序と疾患をつなげて理解できるので納得感のある服薬指導をするのに役立ちます。
【軟膏・クリーム配合変化ハンドブック】
配合変化はインタビューフォームを使って一個一個調べてましたが、時間がかかるし、結局どういうことってなる事もしばしば。
この本は各商品ごとに配合変化を表にまとめてくれてるので監査がスムーズになります。
ちょっと高いけど買う価値ありです。時は金なり。
【薬局・病院ですぐに使える英会話フレーズブック: 音声データダウンロードサービス付】
地域にもよりますが、都心の店舗で働くなら持ってて損はないです。
私のお店は毎日、ほぼ100%の確率で外国人患者さんが来ます。毎回毎回グーグル翻訳で調べてたりするんですが、めっちゃ時間かかるし正しく翻訳されてるのかも微妙です。
医療系のワードやよく使うフレーズがわかると全然変わりますし、投薬の時間も長引かないのでみんながうれしいです。外国人患者さんが来るお店に勤務してる方は是非使ってほしいです。
音声データ付きなので発音もわかるから実務にもってこいですよ。
他にもおすすめの書籍が見つかったら随時紹介していきます!
逆に皆さんのおすすめがあればぜひコメントで教えてください🐱
さいごに
薬剤師1年目。
不安なことやわからないことがたくさんあると思います。
でも、その不安や疑問を毎日ひとつずつ解決していくことで
どんどん成長していけるし、その中で何かやりがいとか、次の目標みたいなものが出てくると思います!
誰でも最初は1年生。失敗することも、迷惑かけることもみんなあります。
(私はいまだにあります)
大切なのはその次、どうするかです!
一緒に頑張っていきましょう♪
他にも不安なことがあれば質問してくださいね😸
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
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